活動報告
2021.08.12
2021年8月12日(木)
東京五輪でのアスリートの活躍は、新型コロナウイルスに苦しむ国民を元気づけたことと思いますが、その傍らでは、SDGsを掲げるオリンピックにおいて、運営ボランティアのお弁当が大量廃棄されていました。この問題に対し、「捨てるお弁当があるならば、子どもに配って」と大会組織委員会に要望書を提出されていたNPO法人みなと子ども食堂の理事長・福崎聖子氏、中川有紀子氏にこの問題についてお伺いしました。
福崎理事長らの要望書(下に添付)に対する組織委員会からの回答は、「7月28日付の食品及び消毒液等のグッズの廃棄に係るご要望書は、弊会にて拝受してございます。ご要望受領以降、弊会では内部で検討を重ねており、近々、担当よりご回答を差し上げられる見込みでございます。何卒ご了承いただきたく存じます」という無回答としか言えないものが、しかも、オリンピック閉会の前日深夜に届いたとの事でした。コロナ禍でより深刻になっている子どもの貧困問題は、制度として考えていく必要はあるけれど、今日、お腹を空かしている目の前の子どもに手を差し伸べることも重要です。
中川さんと福崎さんは、『食品ロス解決Webシステム』を開発されました。「在庫数を発信すると支援団体や個人の方が必要品目と個数を入力発注します。発注がくると受け取りのロジの通知、たとえば『今増上寺の寺務所地下1階食堂に保管していますので、朝8時から10時の間に取りに来てください』といったメッセージが送られます」(中川さん)
このお話しをお聞きした時に思い浮かべたのは、台湾のIT担当大臣・オードリータン氏が作ったマスクマップです。台湾のコロナ対策で、マスクの在庫管理を一元化したシステムにより、マスクがどこに何個あるか一目でわかるシステムを3日で開発し稼働したおかげで、台湾では国民平等にマスクが行き渡るようになりました。情報を見える化することにより、迅速かつそれを必要としている人の手に渡すことが出来る、中川さん達はそれができるようなシステムを開発されたのです。
これからパラリンピックも迎えようとしています。大会組織委員会はこのようなシステムを導入し、連携していくべきではないでしょうか。大規模なイベントでは、今回のような食品ロスは初めから起こり得るものとして、対策を講じておくことが当たり前であり、大会組織委員会には資源管理WGもあります。いまだに(8月12日)要望書に対する明確な回答すら出せないという事は、東京五輪に水を差すものだと思います。