活動報告

2021.07.21

司法修習生(谷間世代)の貸与金について最高裁・法務省とZoomヒアリング

令和3年7月21日(水)
 司法修習とは、司法試験合格後に法曹資格を得るために必要な、裁判所法で定められた法曹教育制度です。法律実務に関する汎用的な知識や技法、高い職業意識や倫理観を備えた法曹を養成することを目的に、兼業・兼職を禁止し、修習に専念義務を課しています。その為、生活保障として給費制度が敷かれておりましたが、平成23年、司法制度改革の名のもとに給費制が廃止されました。しかし、法曹養成は国の責務であることから日弁連をはじめとする皆さんの活動により、平成29年に修習給付金制度が設立されました。こちらも金額的には不十分ではありますが、制度が出来たことは改善と考えられます。平成23年に給費制が廃止された後、平成29年の新制度が設立されるまでの間は全く支援がなく、その間に司法修習生となった方を「谷間世代」と呼びます。無給の為、借金をせざるを得なく、就業後も借金返済により、弁護士活動の内容が縛られてしまう恐れも孕んでいます。谷間世代は全法曹人口の四分の一とも言われており、今後の日本の司法の方向性に大きな影響を与える問題になりうると思っております。
 本日は、愛知県弁護士会の給費制対策本部の弁護士の方々とともに最高裁判所、法務省にヒアリングを行いました。「谷間世代」の不公正に対する事後的な救済措置の可能性、新型コロナウイルス感染症の影響により「谷間世代」の貸与金返済の一律猶予、「谷間世代」の貸与金納入告知書の誤送付の件などについて質問を行い、貸与金返済の猶予についてはあらゆる制度を使い個別に対応していくとの回答、誤送付については再発防止とお詫びがありました。
 「谷間世代」の事後的救済については、あきらめず交渉していきたいと思います。