活動報告

2021.05.13

総務委員会にて質問

令和3年5月13日(木)
 ネット上の人権侵害について質問しました。今国会で、プロバイダー責任制限法が成立しましたが、これは、発信者情報の開示請求がしやすくなった等、裁判手続きのコストや、期間が短くなるというものであり、一定の抑止効果は見込めるものの、ネット上の人権侵害をなくす直接的な法案ではありません。
 今回、同和地区に関する識別情報の適示(特定の地域が同和地区である等と情報を公開する事)を問題として、人権擁護の観点から法務省とプロバイダーを所管する総務省に聞きました。
 法務省の人権擁護局調査救済課長が平成30年12月27日に「同和地区の識別情報を適示する事は、人権擁護上許容し得ないものであり、削除要請措置の対象とすべき」という依命通知を出しました。委員会で総務省に確認しましたが、総務省もこの考えに異論はなく、日本政府として違法・有害情報と判断していることは間違いありません。そして、大手プロバイダらでつくる業界団体は、それを承知の上、「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」を作成しており、同和地区に関する識別情報の適示は削除の対象となる事を理解しています。しかし、現実にはプロバイダは削除要請に応じるところもあれば、応じないところもあり、裁判に発展する場合もあります。そして、裁判での処分が決定する間にも、ネット上では違法・有害な情報がどんどん拡散されていき、全てを削除する事はもはや不可能となっています。
 規制が行き過ぎると表現の自由に対する権利侵害にもなりかねませんが、インターネットという国民生活に欠かせない便利な媒体を適切に使用するためのルールー作りは必要です。今のように人権侵害と表現の自由の線引きをプロバイダ任せにするのは、国の怠慢であると考えています。誰もが健全に使用できる環境づくりが重要であると思います。